恋も愛も憧れも、全部

推しを取り戻す記録

読書記録(2017年6月)

小説やエッセイを読むのが好きです。わたしにとって観劇も映画もテレビドラマも本も並列。全部が好き。

主に積読本の影響でいつでも本棚がキャパオーバーなので、最近Kindleを買ってみたのですが、あんまり使えてないのです。それがなぜか気づきました。わたし、本屋さんが好きだったんです。休みの日に本屋さんハシゴしてたりするもん。大型書店も商店街にある本屋さんもどっちもよく行く。Kindle買う前に気付けって話ですけど…。Kindleの使い方、見つけなきゃなあ。Kindleでどういう本読んだらいいんだろう。

 

さて。最近読んだ本の中でよかったもの・NACS好きな方にオススメしたい3冊を紹介します。3冊ともラブストーリー。ときめき大事。ときめきで好きを大きくしよ。

 

  • 「わたしたちは銀のフォークと薬を手にして」島本理生
    わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

    わたしたちは銀のフォークと薬を手にして

     

    30歳知世(ちせ)ちゃんと年上バツイチ椎名さん(職業:エンジニア)のラブストーリーを軸に、知世ちゃんの友だちや妹視点のお話がちょこちょこ差し込まれる、連作短編集。重めのエピソードもあるんだけど、アラサーのわかるわかるって気持ちが多くて読みやすかった。共感が多いお話はそんなに頑張らなくてもいいから、あっという間に読み進められちゃう。島本理生さんの小説は出てくる食べ物が美味しそうで、今回は焼き鳥を食べたくなった。早速今週、焼き鳥の会を開きます。笑

    で、この本なんですけど…
    椎名さんを、みんなの好きなおじさんに演じさせながら読んでほしい!!!

    椎名さんが、おじさん好きにはたまらない人なのです。美味しいもの食べに連れて行ってくれる。がつがつしてなくって余裕があって優しい。おじさん、素敵。

    『今夜うちで蟹鍋でもしませんか?』と椎名さんから誘われた。


    誘われたいでしょう?

    筋張った手の甲。大人の手だ、と出会った時に感じたことを思い出す。

     
    好きなおじさんの手、思い浮かべたでしょう?

    はしゃいだ拍子に、テーブルの上で手が触れそうになった。はっとすると同時に、椎名さんはすっと引いた。

     
    思わず手を引いちゃうおじさんぽさ、そのときの表情みたいでしょう?

    どきどきしながら読んで!オススメです!

  • 「劇場」又吉直樹
    劇場

    劇場

     

    主人公は劇作家の永田。偶然出会った沙希と恋に落ちて同棲するお話。

    とても苦しくて終始ネガティブな感情に押される読書、まあ、読みづらかった。永田が不器用すぎるのと、あまりにも自分と離れている思考の筋道がよくわからなくて、序盤は挫折しそうで。永田の演劇に対する思考が地の文で半ページくらい続いてくところもあり、はじめはその一つ一つを理解して進もうと思ったけど難しくてついていけないから、たまに文字だけ追って意味を読み飛ばしてた。
    でも、ラストに近づくにつれ、途中で読み諦めなくてよかったって変わってきて、ラストシーンでぞくぞくした。読んでて積み重なった感情がここで活きるのか。そして、読み終わった後に反芻するのがとても心地よかった。頭の中が又吉さんに演出されてるような感覚。
    今年、1月に「蜜蜂と遠雷」を読んでなければ今年のベスト1なんだけど、「蜜蜂…」もすごかったからな。こういう、わたしのベスト1とか選ぶのは難しい。

    書籍サイトも読み応えがあってすごい。

    www.shinchosha.co.jp
    主人公が劇作家で、演劇論たくさん出てくるので、NACS好きさんにはそれだけでもオススメなのですが、又吉先生が札幌グランドホテルでも執筆していたエピソードもあり、登場する街も吉祥寺とか下北沢とかで、そのあたりの街が好きな人でも楽しめると思います。

  • 回転ドアは、順番に」東直子穂村弘
    回転ドアは、順番に (ちくま文庫)

    回転ドアは、順番に (ちくま文庫)

     

    歌人穂村弘さんと東直子さんが、メールで短歌や詩を交互に送り合って作る一組の男女のラブストーリー。出会って、探り合いながら関係が深くなっていって、二人のやり取りが急加速するときが、恋のリアルな肌感を思い出させてくれて、とってもどきどきする。短歌と詩だから余白が多くて、ゆっくり息をしながら頭の中でストーリーを重ねていけるのも好き。何度も読み直したい。

    この話の中で、夜のデートの場面があって、そこに観覧車が出てくるの。

    観覧車昇るよきみはストローをくわえて僕は氷を噛んで

    ーたどり着いた場所は、観覧車だった。
     夜の観覧車は無数の光をまとったまま、ねむっている。
     (中略)
     ねえ、うかぶよ、うかぶんだよ、夜に。


    ここのやり取りが一番好き。夜の観覧車、めちゃくちゃロマンチック。
    観覧車って言葉が出てきたら、もう森崎さんが作った曲「つぼみ」しか思い浮かばないじゃない?「つぼみ」みたいに観覧車のてっぺんで抱き寄せられて目を閉じて、ふたりだけの夜にうかんだら………甘くてどろどろにとけそう。夜の観覧車の後、朝が来て、甘い世界にゆらゆらしてたら次の章がまた良くて。なかなかテレビに出なくて、舞台もまだなくて、今何の仕事してるんだろう、会いたい寂しいって夜にオススメです。読んだら甘い夢みられそう。

    ちなみに、穂村弘さんの著作はエッセイも歌集も読んでいて、エッセイではかわいいってくすぐられて、短歌だと男っぽさにどきっとする。
    穂村弘さん、1962年札幌生まれの方です。「札幌生まれ」って知ったとき、どきどきが増したのは言うまでもありません。(違う世界で彼らとの共通点を見つけるの嬉しいってよくあること?)

 

他にも語りたい本があるので、NACS好きさんと読書会とかやりたい。オススメも知りたいなー。