恋も愛も憧れも、全部

推しを取り戻す記録

森崎博之さんファンクラブツアー(うどんツアー) 5/13〜15

森崎博之さんのファンクラブツアー「森崎博之と行く絶叫ーッ!感動ーッ!四国ーッ!」に参加してきました。ツアー名長くてツアー中も言われておらず、今打ってみて、そんな正式名称だったなと。ネーミングした人、全然使わなくてごめんなさい。誰も彼も終始「うどんツアー」と言っていた2泊3日のツアーでは、その名の通りうどんばっかり食べておりました。

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2日目に行った山越うどんの釜玉。瞬殺で食べた

オフィスキューのファンクラブツアーは最高に楽しいと、会報だったり会員更新特典のDVDで見たりしてたのですが、今回初参加でも、一人参加でも、めちゃくちゃに至上最高な3日間を過ごすことができました。愛と夢に満たされた世界だった……

 

ファンクラブツアーにご興味持っていただけましたら、ぜひご入会を。

ThankCUE入会のご案内 - オフィシャルファンクラブ ThankCUE | CREATIVE OFFICE CUE Official website

次の会報発送が6月、たぶん今回のレポは短期間すぎて載せられないと思うから、その次の9月ですかね、会報で写真などいろいろ掲載されるはず。で、この次の更新特典に映像が入ると予想されますので、今のうちにご入会いただいて1年後に更新すると更新DVDまで受け取れるのではないかと。年会費3,500円*1ですけど、すっっっごいコスパいいファンクラブだと思うのでぜひとも!わたし、他はジャニオタしか経験無いですけど、キューの会報初めて受け取ったとき「破格っっっ!」って衝撃でした。

 

ファンクラブのレポを待たずとも、オフィスキューには公式モバイルサイトがございまして、そちらで大変優秀なスタッフさんがツアー中の写真を大量に更新しております。超絶めろめろになるショットあり。もちろんリーダーが更新している写真もあるし、別途課金なしで見られる動画も!ぜひとも!*2

そうだそうだー!他には無い!!

 

ツアーの詳細は会報やモバイルサイトでぜひご覧いただきたいので、ふわっと雰囲気が伝わるようなことが書きたいと思ってます。ただほわほわと参加していたので、詳しい言動を多く覚えてないってのもある。でも流れていくTwitterと違って、ずっと検索されるブログで会員ツアーの内容をどこまで書いていいのか判断がつかず*3、わたしの感想、感情をつらつら長々と(5000字をオーバーしてます)、よろしければ読んでやってください。

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1日目、めっちゃ雨……ここは繁多寺

 

NACSを好きになった瞬間から約6年、揺るがない子顔のつもりでいるので、今回のツアーが発表されたファンミ、会報でリーフレットが同封されていたときから感動しっぱなしでした。行く期待しか無かったのに1回目の抽選で外れてしまって絶望、でも追加で2班・3班を設定してくれたおかげで2班にて参加が叶いました。1班(5/11〜13)と入れ違いで2班(5/13〜15)、その翌週3班(5/19〜21)って激動のスケジュールを組んでくれたCUEのツアースタッフさんには感謝しかありません。旅行会社のご担当者さんもバタバタでしたよね、ありがとうございます。

 

ツアー全体で思ったのは、ファンと森崎さんの間に境界が無かったということ。舞台に立つ人だから物理的な境界が目にみえているのと、森崎さんに対して憧れの要素が強くて同じレイヤーにはいられないし届かないと思っていたのだけど、ツアー中びっくりするくらい気持ちが近く感じられました。嬉しくてありがたくて、しかも森崎さんは境界なんか無いとたぶんずっと思ってくれてて、こっちが勝手に線を引いてたのかもごめんねってとも思う。今まで好き好き言ってたくさん感情を受け取ってきたつもりだったけど、なにか足らなかったのかな、でも3日間集中的に愛してもらったおかげで気付いてよかった。

「お前たち、愛が重い」って言われて、確かにこんなこと考えちゃうんだから重いんだけど、ファンみんなと境界が無く向かい合うなんて、リーダーも重いんだからなって返してあげます。あとそうねー、対等でお互い様、Win-Winの関係ってことが明確であったことも幸せでした。リーダーが世界一幸せなら、その世界一奪ってやるって感じ?こっちだって負けないんだからねって。そういうのも度々思いました。

 

それと、前から幸せの最大値狙ってる人だなって思ってはいたけど、ツアー中は強烈にそれが出てました。博愛、平等、誠実、、、何か欠けちゃった方がいたら声を掛けてフォローする*4。そこまでみてるのってくらい細かなところまで配慮してる。めちゃくちゃ優しくて、自分が配慮の対象とならなくても光景を見てるだけで幸せな気持ち。森崎さんが登場するとき、「かっこいい」とか「可愛い」とか「フーーーーー!*5」とかいろんなことを言ったけど、頭の中で再生された回数一番は「すごい」でした。本当にすごい人を好きになってしまったんだな、と。すごい→頭ぽかーん。そんなぽかーんとしたタイミングで可愛いこと言うから、感情がとても振り回されました。

 

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山越うどんの入口近くにあった掲示板に「和顔愛語」の文字。リーダーはどこでもついてくる

 

たくさん観光したけど、一番楽しかったのはいちご狩り。わたし、いちご生産日本一の街出身で親戚がいちご農家をしているので、小さい頃からいちご出荷の手伝いをしていたのです。ハウスに入った瞬間のいちごの香り、圧倒的ホーム感。同じ号車でお友だちになった方に前のめりで、いちごのもぎり方とか甘いいちごはこれって教えるとかだいぶはしゃぎました。ここで登場した農業タレント森崎さん、いちごについて語るのがわかるわかるの連続で嬉しかったです。もぎり方の実践が正解すぎるし、水耕栽培になってきてる理由も知ってるからこそ分かりやすく伝えてくれてありがたいって思ったし、いちごPRしてくれてほんと感謝です。とちおとめもよろしくね!ここが唯一自然光で撮影できたポイントだったんですが、めっちゃ良く撮れてる写真ばかりでリーダーはやっぱり太陽だなと思ったのでした。

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真っ赤だったいちご

 

2日目夜のメインイベント、森崎リサイタル。リサイタル(自作曲歌う)の前にいろんなコンテンツがあったんですが、中でもリーダー論の講演を聞けて胸がいっぱいです。いつもぬぉぉぉーーーって叫んでる人が、静かにでも熱量のある声で語りかけるの、ずっと聞いてたい。いかにも仕事してますっていう森崎さんが大好きなので、いや叫ぶのも仕事だけどな、結構うっとりした気分で聞いてました。ちょこちょこ見かける、白地にゴシック文字の超シンプルなスライドも見られてよかったし、レーザーポインタをスクリーンに向けちゃって、あれっ?てなるプレゼンあるあるも見られたし、終いにはレーザーポインタ諦めて講演台に張り付いてPC操作しだすし、もちろん講演内容もなにもかも良かった講演でした。一つ後悔は、最初に接続がうまくいかなくてデスクトップ画面映ったらしいんですけど、そのとき操作してたスタッフTJさんを激写していてデスクトップ見られなかったこと……人のデスクトップ画面見るの好きなんで……(悪趣味)。

最後の最後にリサイタル。自作曲11曲のうち、8曲はメドレーで3曲をアコギの弾き語りで。弾き語りが大変に泣かされた……1曲目からぼろぼろだった……。カメラのバッテリーが貧弱で撮影諦めてずっと聴いてたのだけど、あれはちゃんと目に焼き付けてっていうお告げだったのかもしれない。音、声、歌詞、全身に染み渡って何年分ものパワーをいただきました。聴いてる間、ふと客観的になれた瞬間があって、ここに約240人いるけどそれぞれが森崎さんと1対1で関係してるんだなって感動してまた涙になって。どんな言葉を使っても尽くせないような、尊い時間でした。その後1人部屋に帰りたくなくて、コンビニの前でお話できた子にハグしてもらって、そういう時間も大切だった。あの時はありがとう。

 

3日目ラストイベントのツーショット写真撮影は、もう、もう本当に一生の宝物です。撮影ブースに入っていったら笑顔で待ってる人がいて、早く歩きたい走りたいって思うのに全然足が付いてかなくて、そのスローモーションの視界が今でも残ってる。2回撮るって言われて、1つめはポーズをオーダーしたのだけど、ぼやっとした伝え方だったからか「どうしよう」って声が耳元で聴こえて、いまいち決まらないまま撮られてしまって。そしたら、2つめポーズ変えてくるんですよ、後ろから腕回されてバックハグ……頭の中ギャーギャー言ってるわたし息してた?がんばって笑ってカメラだけ見つめる視界……パニック。この2枚目が現像されることになりました……。家に帰って夫に遺影にしたいって言ったら、返答に間があって「写真屋さん困るんじゃない?」って。それほどのくっつきすぎ距離。ため息。でも恥ずかしいくらいの笑顔で映っていて、ツーショット撮ってもらえるなら笑顔しかないって思っていたので、それが達成できてよかった。

ハグから解放された後、話しかけました。絶対言いたくて台詞みたいに覚えてきたことを。わたしにとってつらかったこと、それをがんばれたのはリーダーのおかげで、本当にありがとうって。つらかったことの単語を言ったとき、少し息を飲むように表情が歪んだのが、理解してくれてありがたくて今を忘れちゃだめだって強く思いました。こっちが言い終わるまで聴いてくれた森崎さんは「こちらはそんな……」ってお辞儀してくれて、また誠実さに触れてしまって嬉しいのと泣きたいのと恐縮な気持ちとでぐちゃぐちゃに。その後、何て声をかけてくれたのか覚えてないけど、優しく撫でてくれて握手もしてくれて胸がいっぱいになってブースを出たのでした。愛しかなかった。今考えると、顔を歪めさせてこころも痛めさせてしまったのかもって、申し訳なくて痛めたとしたら修復したいのだけど、もう何もできないんですかね。心残りというか、反省点です。

 

会場ホテルを後にしてバスで高松駅へ。出発前のバスで撮り終えたみんなを待つ空気がふわふわしてて、すごく心地よかった。幸せが増幅してゆく感じ。

高松駅が近づくころ、PARAMUSHIRのメインテーマ→幌筵島の唄が流れて、森崎さんからのメッセージもいただきました。メッセージでもうだいぶ泣いてたんだけど、曲のクライマックスで小宮少尉が歌い出して嗚咽号泣です……。いつも笑って帰ってもらいたいっていう、わたしの一番好きなリーダーここできた。このタイミングは無理、全然笑えなくてごめん。また会おうって言ってくれるけど、その「また」は奇跡なんだよね。だから笑わせたいし、「必ず」会いたいって言うし。優しさ……たまらなく好きです……。

 

ぐずぐずが止まったころ、高松駅着。一旦解散して自由行動になりうどんを食べに行きました。

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すごいボリュームだった、綿谷というお店の肉ぶっかけ

 

計5食もうどん食べたけど、もっと食べたいしまだ行ってない観光地あるし、思い出を旅するうどんツアー同窓会みたいなのができたらいいな。

 

最後に、ツアーをきっかけに子顔沼に堕ちていった方へ。この沼は深いし、きっともう抜け出せないです。たぶんね、沼に入っちゃった人にリーダーが大人な顔して足かせはめていってるんだと思う。こちらは成されるがまま、それをうっとり見つめるだけなのですよ。つらい。そして守る人かと思いきや、本質は狩りの人なんだと思う。お前たちみんな好きだーって言いながら他のファンの子たちをどんどん狩りに行っちゃって、子顔、結構ほっとかれてる気がする。つらいw まあ、博愛主義者だからね、仕方ない。っていう沼へようこそ。ゆっくりお茶でも飲みながら、リーダー帰ってくるの待ちましょうね*6。ふふふ。

 

 

 

*1:入会金に500円かかります。ローソンのロッピーで手続き可。ハードル低い!

*2:2017年リーダーは200枚強の画像をアップしてて、どれもモバイルでしか見られない写真とかなんてプレミアム!わたし、年間3,888円を6年弱バシッとお支払い中!

*3:以前、好きなブロガーさんが会員向けのイベントレポについて言及されてて、確かに、特典の一種であることを認識していなければな、と考えるようになりました。あと、それにはあんまり関係ないかもだけど、そろそろリーダーのお子さんがネット検索とかし始めるんだろうなと思うと、読んでショックに取れる表現は控えようと最近はそんな心境。

*4:後ろの方で見えなかった人たちにごめんねって言って退場していくとか

*5:みんなで言って昭和の盛り上げ方とツッコまれたのが良い思い出

*6:3日間愛された女の強み

ウキウキな夏希望

めっちゃホリデー感が期待できる夏くる!

[CDJ2018]CUE DREAM JAM-BOREE 2018

このトップ写真めっちゃかっこいい…どこのライブだろって…まさかあんなバカ笑いするイベントとは思えない…

 

2年に一度の楽しすぎるイベント、CUE DREAM JAM-BOREE2018 わたしは土曜・日曜に参加決定です!やったー!年始から飛行機は手配済みで、今日のモバイル先行結果の発表で土日の3公演揃いました。やったー!

今年は音尾さんがプロデュースとのことで、どんなんだろうか予想がつかず、それもまた楽しみ。音尾さんがこうしてああしてってみんなに言ってるメイキング映像まで楽しみ。つまりは年末までうきうきが続くってことだ、CUEすごいわ。モバイルサイトでは、スタッフさんがジャンボリーの撮影だって写真アップしてて、まだ4月だけどちょーあっという間に7月とか来ちゃうんじゃない?はやく行きたいけどはじまったら終わっちゃうし、ジレンマー。

 

そして。8月も札幌行きます。札幌演劇シーズン!

eleven9.jp再再演のイレブンナイン「12人の怒れる男」、2015年の再演時にめちゃくちゃ行きたくて東京でジタバタしてた。去年の9月かな、演劇シーズン2018夏の上演作品が告知されたときには、今回は絶対に行くことを決めていました。札幌の素敵な役者さん、一気見できる!NACSファンにはおなじみの戸次さんと高校の同級生江田さん、シリアスな演技って想像つかない、楽しみ。昨年夏に観たイレブンナイン「あっちこっち佐藤さん」で藤尾くんとダブルキャストだった逸人さん、もっと舞台観たいって思ったから楽しみ。巡査長を演じていたyhsの小林エレキさん、同じくyhsの能登さん櫻井くん。安心とワクワク。櫻井くんの出演が一番わーい!ってなりました。周りのおじさんに負けずに光ってほしいなあ。あと生でお初にお目にかかります斎藤歩さん。渋み…。オフィスキューからは河野さんが出演だそうです。演劇シーズンのパンフレットに河野さん載るみたいで、それもまた頂くのが楽しみ。ただ、こちらも飛行機手配済みではあるのですが、上演日程的に観られても1度?12人もいるから1回じゃ絶対に足らないから、飛行機の時間をずらすかどうしようか……と悩んでます。

このイレブンナインと入れ替わりで弦巻楽団「センチメンタル」が8/18〜25まで。昨夏に「ナイトスイミング」で衝撃を受けたので、まだまだこの劇団を深掘りしたい。今一番観たい札幌演劇は、弦巻楽団。NACSファンから札幌演劇に広がる人多いから、その層にもっともっと届いてほしい。届いてほしいからリンクとか貼りたいけど演劇シーズンのHPまだ冬のままだし、劇団HPは8月の前にもう1本上演があるから8月の情報は出てない…。あ、6月上演は新作だそうです!観たいけどさすがに交通費つらくてどうにもこうにも回らず…。6/15〜17、誰か代わりに行って心を動かされてきて。

www.tsurumaki-gakudan.com

PARAMUSHIR〜信じ続けた士魂の旗を掲げて 感想

赤坂ACTシアターで3/18昼・24夜とライブビューイングの3回観劇した感想のまとめです。

ガンガンネタバレしてますので、5/5のWOWOW放映をお待ちの方がもしいらしたら、ここからスクロールしない方がよいです。


言うこといっぱいあってとりあえず言い切りたいだけで書いてるからよく分かんないし読みづらいし、解釈が合ってないところがあるはずでその配慮も足らないけど、とにかく頭の中のことを出さないと他のことが頭に入らないのがやばい。まじで記憶の外付けHDDほしいのですが、どこかで開発されてませんか。こんな時間かけて文字に起こさなくても、頭の中がBluetooth経由で移管されればいいのに。

 

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感想、まず全体感から。

この作品、めちゃくちゃ好きです。森崎演出が揺るぎなく好き。2016年のNACSⅩⅩライブビューイングでタイトルが出た時に感じた、期待だけど不安っていう気持ちを遥かにどうでもよくさせる、超ど真ん中NACS。不安とドキドキを持って申し訳ない。超越してくるのすごすぎ。好きしか言えない。大好き。

5人もいろんなところで言ってるけど、この題材をもって確かにエンタメだった。史実を追いながら頭と心の両方を使わされるバランスが絶妙。そして森崎演出ゆえのロマンチック要素。戦車「チハ」に明かりをつけて暗転で星空のように見せるのとか(ライブビューイング全く映りませんでしたね、残念……)、ラストシーンの白い花とか。そのロマンチックさで話を苦しさだけにしない。森崎さん惚れる。いや前から惚れてましたけど。森崎さん的には、矢野に短銃を向ける場面がめちゃくちゃにはちゃめちゃにかっこよかったので目撃してない人はWOWOWかDVDで絶対に見てください。映らなかったら、、、心の目で。いや絶対に見せて。わたしはその冷酷な姿に仕留められたいと思いました。

 

フライヤーのあらすじに「北海道は二分されていたかも知れない」という文章があるけど、ベルリンの壁崩壊を衛星中継で見てたら、危機感とか怖さの肌感が違ったのかな。まだ小さくて記憶に無いんだよな。そういうことを考えると、NACSさんたちがあらすじの文章をどう捉えてたのかって気になる。生まれた土地を2つに分けられる、身を裂かれるつらさ。わたしより怖さの形がはっきりしてるのかな。

 

初回観劇ではオープニング映像からザワザワと鳥肌が立ち、息を吸ったまま吐くのを忘れそうで、頭の中では人混みの中で好き……ってうずくまってた(一目惚れのようにね)。3Dの千島列島を北上していくアングル、スピード感が特にゾクゾクしますね。映像が幌筵島占守島を捉えた時には本当に始まるんだと、より胸がギュっとなったのでした。2回目で気づいたけど、占守島の左半分くらいは白い雲に覆われていたのね。はっきりと形が見えていなかった。あれは霧でしたか?

 

最初の突撃シーンの後、敵に向かって駆けてゆく5人のシルエットが映されるところが2回目観劇時の泣きはじめシーン。インスタで#paramushirを検索していたら、ロシア語の風景画像をいくつか見つけて、その中にだだっ広い平原の中を走っている子どもの画像があったのね(画像の埋め込み方法が分からない。ううう…)。ああいう場所に飛び出していくの想像するだけで相当キツい。

 

アンサンブル2人が旗を広げて映像が流れ、3日前に戻っていくところもすごく好き。太平洋戦争の皆が知っている画像、映像を流しながら時を戻していく。過去を知っている観客を知らないところに連れて行くタイムマシン。写真集を買ってサントラを聴いてからこれがカノンのアレンジだってことに気付いてまたザワザワした。観てるとき全然わからなかった…曲がちょーかっこいい…。

出てくる旗はどれももれなく好きだけど、停戦になるところの白旗が特に印象的です。重なり方とかよく考えたのだろうな、と。規則正しい重なりじゃない不安定感。事実、すんなり停戦とは行かず交戦することになる。あ、舞台が始まる前に降りてた幕もよかった。幕に書いてあった黒い線(線?いい言い方がわからん)が舞台上に書かれた線と繋がっていたの。これは1回目が2階席だったから分かったこと。2階席前方から観るの、よかったなあ、目の前に広がる景色の奥行きがね。

っていうか、ACTがいい劇場だ!それまで地方の大きな会場でやってきて馴染んだか、ACTのデカさが感じられない。規模が丁度いい感じ。WARRIORの時はデカいなって思ったの覚えてたのに、今回は全然そんなこと思わなかった。あとACTは席の前後は狭いけど、椅子の前後とのずれ方が最高にいい。視界がかぶらなくてとても見やすい、好き。

幕の話に戻します。霧の中にいる雰囲気が出る、戦車を三方から囲む幕。逃げてきた田中に向かって幕の間から銃が狙っているシーンが照明も含めて本当にきれい。劇中のどんな照明もロマンチックできれいだ。森崎演出といったら音楽が一番に出てくるキーワードだと思うけど、照明も、照明にも掴まれる。視覚と聴覚掴まれてんだから、そりゃ話で揺さぶられたら感情にダイレクトにくるわ…。泣くのもただ泣くじゃなくて震えるくらい泣けちゃうんだよ……。なんだよずるいよ……。タオル案件と聞いてたけど、厚めのタオルじゃなきゃだめだったし……。震えて声出ちゃうから、タオルで押さえないとだめなやつ……。

 

アンサンブルさんのこと。ライブビューイングではみなさんの演技がアップで見られて、親御さんとかずっと見てきた方の気持ちを想像してじーんときてた。パンフレットのプロフィールに所属事務所が載ってるのでさえ泣ける(出演依頼等のお問い合わせ先という意味ですよねあれは)。15人の熱ってデカいです。すごいパワーだ。水島隊の家が阿寒の兵士、膝カックンしてはしゃぐ3人、竹田浜で亡くなる兵長、入院組の2人、、、そんな目立つシーンでなくてもどのシーンも彼らがいなきゃいけなかった。ほんと、ライブビューイングで細かく映してくれてありがたやでした。いろんな場面で思うけど、劇場で観るには目が足らないのどうにかならんかな。

缶詰工場の女子従業員3人。台詞も歌も泣かされた……。スッと心持ってかれますね。船で脱出する前の小此木さんの台詞で「私にもできることがあるはず」っていうのが刺さってる。わたし、10代後半ってすごく正義感が強くて真面目だったから、もし戦時中に生きてたらああいうこと言ってた気がする。で、心優しい友だちを巻き込んで勇んで行って、しまいには死なせちゃったかも。そんなこと考えたら生きてるのが今でよかったって安心した。

桜庭がガダルカナル島の話をするときの、戦車の周りで蠢く兵士たちのシーンも好き。血の照明とゆったりとじっとりと動く身体が美しい。ダンス公演を観るようになって身体の動かし方についての知識が付いてきて、自分の中でこんなシーンの感じ方にバリエーションが出てきた気がする。言葉にはまだうまくできないけど。ダンス観るの、いいですよ。

山下と矢野。戦車から出てきて話すときの山下の声、よかったー。矢野の声に似てて。山下は矢野の心を表すからそうなんだけど、本当に声が似てた。そこからの最後「生きろよ」がねーーー本来の山下がこの一言に出て涙ぶわっと。山下と矢野って、五十音順なら並ぶのだろう。どれだけ親しかったんだろう。彼らの過去には何かあったんだろう。想像して苦しい。

 

矢野はライブビューイングでやっと理解ができた。表情の変わり方、すごいですね。劇場で声とか佇まいとか雰囲気で掴んでたつもりだけど、つもりにしかすぎず、表情で引き込まれた。もっと前列か双眼鏡で見られればよかった。自分のこと家族のことを語らず、山下以外の全部を満州に置いてきてしまった感じがする矢野。エピソードが多い桜庭、田中、水島に比べて引き込むのが難しい役をやる音尾さん、感嘆。この公演のストーリー的には桜庭が主役に思えるのだけど、公演サブタイトルに入っている「士魂の旗」は矢野が所属していた戦車第十一連隊の旗(十一を士としている)で、わたしが思うより矢野の持ってる役割ってずっしり重いのではないかと。そう考えるとまだ理解しきれてないのか……ぐるぐる。

 

田中はもうひたすらせつない……。小樽でサチコと出会わなかったら、恋しなかったら、結婚しようと思わなかったら、戦場に来なくてよかったんだよ……。なんで戸籍、取り寄せちゃったんだよ……。なんできっかけの人がサチコなんだよ、お願いだからその名前は幸子ではなかったことにしてくれ……。幸せの人だったらつらすぎるじゃないかよ……。田中については、2回目の時、冒頭からちょっとだけ「ふるさと」が弾けていることに気がついてせつなさ。お母さんからハーモニカをもらって、ハーモニカの吹き方もふるさとの音符もわからなかったはずなのに、その音取るまでがんばったね……せつない。でも最後まで弾けなかったね……せつない。だめだわかりやすくせつない。

ライブビューイングでは田中が持っていた写真にちゃんと子どもが写ってるのが見えて、それはとてもとても耐えられなかった。あの写真を見てる場面、戸次さんよく泣かなかったよね。中の人としては泣けるところだと思うのに、泣かない演技がすごいよ。

 

水島軍曹、2回目に観たときは水島によく目が行って終始「水島が優しすぎてくるしい……」と思っていた。人の心配ばかりする。全体的にできた人だ。繊細な人だが(だからこそ?)戦中では兵士であること、軍曹であることに徹していた人。どんな環境でも役割を全うできる強い人なんだろう。洋食屋さんの皿洗いもよくできて、ずっと勤めていられれば上の人にもかわいがられてどんどん仕事を任せられて、料理ができるようになったら美味しいカレーを作れたんだろうな。娘に「父ちゃんが作ったカレーだ」って微笑んで食べさせたんだろうな。優しい。想像していま泣きそう。水島は小宮に「あなただったから話せた」っていうようなことを言うけど、ここに水島がいたからこんなチームになれたんだおおお初めの一歩はあなただよおおおって声に出したくなる。

水島の台詞で好きなのは、ソ連の兵士を「まだ子どもだった」っていうところ。あの台詞、ストーリーが政治的にならないことにかなり効いてますよね。資料書籍を読んでいると、ソ連軍も急遽の部隊で戦っていてそっちはそっちでやるせない。竹田浜から上陸するとき戦車なんか無くてソ連兵士は泳いで陸に上がっていったことを想像すると、今回のキャストに思う気持ちと同じになるもの。つらい。

ダ・ヴィンチで戸次さんが「大泉さんの水島は意外でしたけどね」と言っているけど、うんうん、そう思う。大泉さんは優しい人なんだけどその優しさって全面に出なくて、だからこういう役は貴重だと思う。水島はリーダーがやりそうだもの。

 

そのリーダーが演じていた小宮。小宮は本当にに戦場に向かないですよね。幌筵島ではない別の地域に赴任してたらもっと短い生涯だったんじゃないかな。言葉が適切ではないと思うけど、小宮は運がよくない人。反対に桜庭は運がいい人。生き残るから。ただ、運がいい人には苦難が続く。過酷でも生き残ってしまうから。小宮は、こういうのは運とか言っちゃいけないけど、この時代に軍人の家に生まれたことからそれがはじまってる。ねえ、なんでこの運命に従わなきゃいけなかったんだろう。小宮をもっと自由に生かせてあげたかったよね。指図する側ではないって分かってるから士官学校でよく勉強したんだろう。その努力を別のところに使わせてあげたかったよね。

これまで経験した戦場を語っていく地獄マウンティングの場面(不快に思われそうな言い方だけど実際にそう思ったからそのまま書きます)、小宮は戦場に出てないけど、小宮の共感のしやすい性格は精神的な地獄なんじゃないかな。部下の気持ちに共感してしまってでもそれを抑えて冷静に統率しないといけないの、地獄では。

小宮で一番ザワザワ心が揺れるのは、最後の戦闘シーン。ひたすら兵士を助けているが、救えない小宮。短銃を頭に向けて自決しようとするが、思い直して戦いに向かってゆく。この一連、上手側のしかも舞台傾斜の下、照明が暗い方でやってるから小宮を見続けないとわからないって。初回に観た時、なんで混乱の中こんなことしてるの、どうして、ずるい、あなただけで見たかった……と悔しさを感じ。2回目はちょっと意図が分かって、兵士を救えなかった小宮の苦しさに共感して、その後ライブビューイングでは小宮は生きることに覚悟を決めたのだと理解したのでした。小宮、やっと自分の意思に従えた、自由になれたんだって。ライブビューイング映像、この場面来るってドキドキしていざ銃構えるってなったときに、別の人に一回カメラ切り替わったの。あれ、映らなかったかーって残念に思ってたら逆サイドのカメラにがっつり捉えられて、そのカメラワークもしびれてしまった。あのカメラで小宮のこの動きを知った方が多かったみたいで。最後にすごいのあったでしょ、森崎さん、あの人素敵でしょと誇らしくなったのでした。

余談ですが、あんなに抑圧されて生きてきたのに、歌だけには自己肯定感すごいのなんなんだ。(わかってる…あれはネタだ…下手さかわいい…)

 

ライブビューイングで一番泣かされたのは桜庭。子どものことを話すとき、「息子は誰に似たのか無口で」の後にあった間が好き。安田さんのことを知ってるから、ここでちょっと客席の空気が緩むんですよね。で「映写技師になりたい」だもの。無理だよここー。泣かないわけないよー。映画女優になりたかったお嬢さんは歌をうたうのが好きだったのかな。奥さんは花が好きだっなのかな。とか考えてると、慰問に来てた女子従業員を助けようとしたことにまた泣く。

2回目観た後、GoProとかのアクションカメラを各俳優に付けてそれをマルチアングル収録してほしいなとちらっと考えてもいたけど、全部見られることが果たして本当によいのか?知りたいけど知らない方がロマンチックだよなと思うに至ったの。ラストの桜庭の表情なんてその最たるもので、あれは4人しか知らなくていいんじゃないかって。こんなこと言って、WOWOWとかDVDでバシッと映ってたら喜ぶんだけど。ぐるぐるするなあー。矛盾だらけ。

 

5人の年齢考証がTwitterで流行ってるんですけど、わたしも考えて結局頭が迷子になってしまって、正しさを求めなくてもいいっかーってとこに行き着いた。でもみなさんがいろいろ考えてる過程を読むのは楽しいから、どんどん書いてほしい。詳しい方には解説してほしいし、いろんな意見を読みたい。ファンブックまでいかなくても、薄くても束になってるやつ読みたい。束に……誰か……

 

千秋楽からもうすぐ1週間、日が経って忘れていくのがとても怖いと思うし、この気持ちの濃度が薄まっていって、でもふっと大切に思い出すような時がくるのもまた良いかも、とも思うし。覚えていてと歌う「幌筵島の唄」が響いてるのにこう言うのもなんだけど、人って忘れるし忘れないと生きていけないこともあるから、忘れてもいいのでは、ってことも思ってしまう。対して、50年ずっと忘れなかった桜庭は、今生きてるわたしたちではたどり着けない場所にいるんだろう。なんて過酷で残酷な世界。

 

ひたすらきつい苦しいと泣くけど、稚児車が咲くラストを観た後は切実に生きたいと思う。5人がそれぞれのつらさを溶かしあったように、誰かを溶かす、許す人として生きたい。そんな希望の話だから、こんなにも考えるんだろうな。

まとまりきらない。なんか、真面目な話もいいけど、推しさんの良い場面ばっかり集めてプレゼン大会しよう。ひたすら明るい話して5人を供養しよう。で、笑いながら泣こう。わーそれめっちゃやりたいー。